宇随天元の譜面と筝

【Written by A.O】

壱 三 七 五 為 巾 [いち・さん・しち・ご・い・きん]

2022年2月末に放映されたアニメ「鬼滅の刃」での一コマで、宇随天元なる鬼殺隊の「柱」が発した攻撃での言葉です。

これは、我々うつらが大切にしている和楽器、筝の糸であるの弦(げん)の呼び名ですね。

筝(こと)は、奈良時代に中国より伝わり、雅楽の伴奏楽器として演奏されました。その後、九州にて独奏楽器として確立され、江戸時代に俗筝(ぞくそう)とよばれる近世箏曲(八橋流、生田流、山田流)が成立します。

鬼滅の刃の舞台となっている大正時代になると、お正月などによく耳にする「春の海」の作曲者、宮城道雄によって新日本音楽運動が始まり、低音用の十七絃などの多弦箏がつくられたり、西洋音楽要素を取り入れた楽曲が多数つくられるなど、筝は大きな発展を遂げるのです。

アニメ画像を添付しましたが、攻撃の一瞬に、筝の譜面が見てとれました。

筝は十三本の弦(げん)と呼ばれる糸を筝爪ではじくことで音を奏でます。一本目から十本目までは一から十で呼び、十一本目からは、斗(と)・為(い)・巾(きん)と呼びます。この弦名は、雅楽の三大楽書の中のひとつ「教訓抄」の中にある教えが由来となっています。

<斗>人の器も大きくなり
<為>成すことが出来る
<巾>そして勢力もふくらむ

宇随天元が鬼と戦うことの深い意味を感じさせる言葉ですね。

宇随天元は、鬼を滅するため編成された「鬼殺隊」で最も位の高い9名の「柱」の一人です。筝には、箏柱(ことじ)と呼ばれる柱を、弦のひとつひとつに立てます。

「柱」を立て、「弦」をはじく。

鬼滅の刃において宇随天元は【柱】として上【弦】の鬼をはじいてゆく。こうしたほんの一瞬の攻撃にも、丁寧に筝の世界に踏み込んで作り込んだ作者の意図を、筝奏者として嬉しく感じました。

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